Web 共済と保険2026年1月号
創立75周年を迎えるJF共水連 代表理事専務 髙田 明生氏にインタビュー
「共済と保険」のWeb化を記念した特別企画として、2026年1月に誕生から75周年を迎える全国共済水産業協同組合連合会(JF共水連)の代表理事専務 髙田 明生(たかだ あきお)氏に当協会 専務理事 清 桂司(せい けいじ)が、①組織、②理念や大切にしていること、③事業運営において特に注力していること、④創立75周年を機に取り組んでいること、⑤国際協同組合年や持続可能な開発目標(SDGs)への貢献に関する取り組み、⑥未来に向けた想いやメッセージについて2025年9月24日にインタビューをしました。(文責:編集室)
1.組織について
(清)まずは、組織について教えてください。
(髙田)我々JF共水連は、全国の漁業協同組合(JF)や水産加工業協同組合およびこれらの連合会などが会員となり、それぞれが出資して共済事業を行う唯一の連合会として設立しました。会員であるJFには全国のほとんどの漁業者が組合員として加入しており、組合員とその家族の暮らしの万一を保障する共済契約をJFとJF共水連が共同でお引受けするというシステムがとられ、全国のJFと漁家が手をつなぎあった扶け合い(たすけあい)の組織と協同の力によって運営しています。
(図表1) 組織図
(清)創立の経緯など教えていただけますか。
(髙田)それについては、まずはこの動画をみていただきたいと思います。
動画)JF共済のあゆみ~JF共済はこうしてできた~
(髙田)ご覧いただいたとおり漁業は「板子一枚、下は地獄」と言われており、かつては危険業種かつ地理的に不便な沿岸域に生活していることを理由に民間保険の営業対象から外された時代が長く続いていました。また、当時の漁業者は全国の浜でその日の生活に困る貧しい暮らしが多く、火災などの災害を受けると補償もなくその暮らしはより一層厳しさを増すものでした。そのような状況の中、東北の老漁業者から一通の手紙が送られてきました。手紙には地方自治体や農協で火災共済ができるのであれば、JFや漁家も全国的に協力し合って火災共済が可能ではないかと切々とした思いが記されていました。
この手紙がきっかけとなり、1951年、全国共済水産業協同組合連合会(JF共水連)の前身となる全国水産業協同組合共済会(全水共)が設立され、火災共済事業からスタートしました。漁業者にこそ協同組合精神に基づく扶け合いの仕組みが必要であるとの思いから、漁業者のための共済制度が組合員自らの手により立ち上がったのです。
このように、我々の事業の根幹には「一人は万人のために、万人は一人のために」の精神が流れており、設立以来JF共済は浜の共済として漁業者の生命と財産を守り、浜の暮らしを支え、今後も漁家の生活を脅かす様々な危険に対し、協同の防波堤として組合員とその家族の未来を支え合っていきます。
こうした我々の運動を理解していただくために、ご覧いただきたい動画があります。
動画)JF共済 実話をもとにしたストーリー "寄り添い"篇
(髙田)この動画の話は山形県の小学6年生が書いた作文を題材にしたものです。海難等の事故により親を亡くした子どもたちの夢を支える漁船海難遺児育英会という組織があり、この作文は同育英会から出版された作文集に掲載されたものです。
漁業の場合はどうしても「死」と共済を真正面から突き合わせざるを得ません。というのも今日は元気であっても、明日の漁で亡くなってしまうことがあるからです。私はそのことを職員にわかってほしくて、北海道事務所にいた頃から研修で作文を読み続け、4年前に動画を制作し公開しました。
そして、我々JF共済事業でできることを発揮するために、一家の大黒柱が亡くなっても残された家族が十分な保障で守られているかについて、しっかりと点検活動をしていかなければならないという考えのもとで「浜のあんしんサポート運動」を展開しています。
動画をご覧ください。
動画)JF共済 "浜のあんしんサポート運動"篇
(清)JF共水連の全体像が改めて理解できました。共済種類や制度の成り立ち等について、お聞きかせください。
(髙田)JF共済には現在、生命保障のチョコー(普通厚生共済)、ノリコー(乗組員厚生共済)、ダンシン(団体信用厚生共済)、財産補償のくらし(生活総合共済)、カサイ(火災共済)、老後保障の漁業者ねんきん(漁業者老齢福祉共済)の6つの事業種類があります。
我々の事業が火災共済から始まったことは前述のとおりですが、なぜ火災共済から始まったのか、誰がJF共済を始めたのかをここでお話しします。
第二次世界大戦が終わってすぐの頃、山形県酒田市などの日本海側では多くの大火に見舞われました。冬は暖を取るために火を使いますが、漁師町は風が強く、隣家とも板の塀で近いため、火災が発生すると地域全体に広がってしまいます。当時漁業は非常に辛い産業であるにもかかわらず収入が低く、火災保険の損害保険料率も高かったことから、加入のハードルが高く保障を受けられませんでした。そのような状況の中、先程もお話ししたとおり東北の一漁業者が行政に対して「漁業者で共済制度を作りたい」と要望したことがきっかけとなり火災共済がスタートしました。
つまり、JF共済は漁業者自身が必要に迫られて作った制度なのです。このため、我々JF共水連が漁業者から預かっている制度であるという認識に立って、研修会などで継続して全ての職員に対して話をしています。
(清)その後、生命分野等に保障を拡大されてますが、どのような経緯があったのでしょうか。
(髙田)かつては、ポンポン船と揶揄される小さな木造船に大勢の漁師が乗って漁をしており、事故で漁師が亡くなってしまうことが多くありました。現在事故は少なくなっていますが、400キロ沖で漁をするサンマ・サケマス漁船が沈没し、周囲に僚船もなかったことから乗組員全員が亡くなる事故が最近もありました。
このように漁業は危険な仕事であり、生命に関する保障の提供は必要なものでした。
生命共済としては、漁業者の家庭生活の安定化に向けて夫婦およびその子を保障する「親子厚生共済」、乗組員向けに短期の掛け捨て型で高額保障が可能な傷害共済である「乗組員厚生共済(ノリコー)」が1960年にスタートし、1965年に生命共済の制度が改定され「普通厚生共済(チョコー)」が誕生しました。
ノリコーとチョコーによってJF共済がカバーする傷害の保障範囲は他と比較して幅広だと自負しています。というのも漁業者にとって手指、足指、手、足一本、すべてが働くための道具であり財産です。その財産をしっかり支える制度でなければ、自分たちの制度として意味がないからです。漁師は怪我をしただけで漁に行けなくなってしまい、代わりに人を雇わなければならなくなります。それを支える制度が必要といったニーズから生命共済であるチョコーは怪我による通院の制度も作りました。また、漁で亡くなった際に共済金がプラスされる制度なども漁業者のニーズからできたものです。
さらに特徴的な制度が、不漁等により漁獲金額が減少した場合の損失を補償する漁獲共済や養殖中の養殖生物(貝類や魚類)が死亡、流失等により受けた損害を補償する養殖共済などの漁業共済です。当初は全水共の制度でしたが、独立した制度運営が必要だという判断のもと全国漁業共済組合連合会(ぎょさいれん)・各県の漁業共済組合が設立されました。現在この制度が日本の漁業を支えており、我々JF共水連で制度を立ち上げたという自負があります。
(清)1983年に水産業協同組合法(水協法)が改正されていますが、どのような改正であり、また背景があったのでしょうか。
(髙田)JA共済では共済事業がJA(農協)の事業であるのに対して、水協法改正以前のJF共済はJFの事業ではなかったということが一番の大きな違いです。これをJA共済並みの制度にしたいという組合長たちの要望からJF元受化運動へ発展し、1982年7月に開催された第9回漁協共済推進全国大会で「共済を漁協の事業とすべきである」ということが決議されました。
この法制化に向けた行政庁への要望理由「共済事業は、組合員相互の協力によって福祉の向上を図り、事業利益をJFにもたらし、系統資金の流出を防止する等の理由から協同組合に最もふさわしい事業である」は、現在の我々のテーマ「組合員のためが組合のため」として引き継がれています。
積極的に共済の普及に取り組めば組合員に安心をもたらし、事業の安定にも寄与します。一方、JFは指導事業の中で日本の浜を海の畑・食料の基地と考え、将来の食料を守っていくことをテーマにしています。これはSDGsにも通じます。つまり、漁業者を保障で守ることがJFの事業の安定につながり、これらが日本人の食料を守るための「浜を守る」という重要な役割を担っています。これこそが私たちが取り組んでいる協同組合運動です。
1983年に水協法が改正されたことで我々の要望が叶い共済がJFの事業となり、そして、2008年に水協法が改正されたことでJF共水連とJFが共同して共済を引き受ける共同元受方式となり、現在の実施体制になっています。
2.理念や大切にしていること
(清)JFの大きな役割について触れていただきましたが、JF共済の事業の根幹となる基本理念や大切にしていることについて教えてください。
(髙田)事業の根幹はたとえ海難遺児となっても将来の夢を支援できるような保障を提供することです。特に大黒柱となる人に必要な保障を提案・提供することで一家を守っていくことが我々の基本理念であり「浜のあんしんサポート運動」(注1)の根幹です。
これは一番重要なところであり、研修等を通じて絶えず教育し続けなければならないと思っています。職員には漁業を守ることが地域を支えることになるというJF共済の理念『海に生き、浜に生活する組合員・地域住民の「暮らしの保障」に万全を期すことを通じて、美しい海と漁業を守り、豊かに安心して暮らすことのできる魅力ある地域づくりに貢献することをめざします』 を暗記してもらっています。
2001年に創設50周年を機に名称を「漁協の共済」から「JF共済」へと変更しました。JFの「F」は"Fisheries "を指しますが、当時の系統団体はこの「F」に「元気な漁業」をイメージし、「フィッシュ」「フレッシュ」「フレキシブル」の3つの意味を付加価値として持たせました。
3.事業運営において、特に注力していること
(清)事業運営にあたり、大きな課題と捉えていることをお聞かせください。
(髙田)1975年当時は50万人を超えていた漁業者ですが、高齢化等を背景に組合員が大幅に減少し、現在は10万人を切ろうとしています。ちなみに、JFには漁業権の関係から事業を利用するのみの准組合員制度はなく、正組合員と准組合員は漁業者だけです。
この状況をJFやJF全漁連を含む系統だけで減少を食い止めることは難しく、市町村と一緒に新規就業者には船を一艘提供するなど工夫して頑張っていますが、なかなか成果にはつながっていないのが現状です。
組合員の減少は水揚高の減少を意味することから、日本の食の安定とJFの事業運営に大きな影響を与えています。
(清)こうした課題について、どのように向き合い、対応していますか。
(髙田)これらを背景にして、2024年12月にJFグループで決議した「海洋環境の激変に立ち向かうJF自己改革の断行」において、JF共済を攻めの事業と位置づけ、「浜のあんしんサポート運動」で全戸訪問することにより組合員の保障の充足度を高めることで盤石な基盤を築くことを盛り込みました。全戸訪問は大変ですが、訪問活動を積極的に行うことで一人の組合員も保障の網からもらさない、さらに共済の必要性に気づいてもらうことができ、全戸訪問は本当に大切だと実感しています。
もう一つは、JF共水連には保険代理店という側面があります。この代理店が扱う保険にも着目しています。自動車保険以外にも洋上風力発電などを含め漁業や海に関連する保障は多数あります。JFが港や港湾の中心的な存在であることを捉え、これらの事業を取り込むことをテーマにし、現在大きく伸長しつつあります。
「浜のあんしんサポート運動」に加え、漁業や海に関連する新しいマーケットを開拓することでJF共済事業を活性化しようとしています。現行の3か年計画での取り組みを引き継ぐ次期3か年計画では、今まで以上にJF共済の加入の輪を広げ、その輪を深めていこうと考えています。
4.創立75周年を機に取り組んでいること
(清)2026年1月に創立75周年を迎えられますが、これに向けて企画されている取り組みなどありましたら教えてください。
(髙田)共済制度はその背景にある歴史や当時の思いなどを後世に伝えていくことが非常に重要です。しかしながら、30年史以降本格的な周年史を編纂しなかったという後悔もあり、現在JF共済75年史編纂に注力しています。この周年史は多くの人に見てもらいたいという願いのもとホームページでも見られるようにすると同時にダイジェスト版の作成もしています。
他に記念事業として生命共済の大きな制度改正を実施する予定です。漁師にとって医療保障は大変重要ですが、加入の厚みが十分ではありません。様々な改正によって一般の保険に対抗できる魅力的な共済にすることで加入もしやすくなると思います。創立75周年に向けて弾みをつけるためにも、保障性を高める改正をして多くの人に保障を届けたいと考えています。新たな制度をすべてのJFに提案し、保障の充実に向けたキャンペーンを展開しようと考えています。
また、共栄火災とのパートナーシップを強化し、75周年を記念してJFの賠償責任に特化した商品を出すことも考えています。共済で提供できない保障は共栄火災の賠償責任保険に各JFでリスクごとに加入していますが保険料も低廉にできればと考えています。JFごとに実施している事業が様々なのでどのような保障内容にするか検討しているところです。
こうした運動が次期3か年計画のテーマである「加入の輪の拡大と深み」につながっていくことを願っています。
併せて、この機会に「理念」に関する内部研修の充実化にも取り組んでいきます。
(清)内部研修のお話がありましたが、JF共水連の職員向け研修について、詳しくお聞かせください。
(髙田)JF共済の「理念」に関する研修を年に3、4回開催していますが、この研修は私にとって思い入れがあります。JF共済の「理念」は忘れてはならないものです。同じような制度に加入したとしてもどのような思想が背景にあるのかによって意味合いが異なることを理解してもらうためにもこの研修を継続して開催しています。
他にも事業を運営していくうえで忘れてはいけないことがあります。それは「魚一匹、海藻一枚を収穫する漁労の汗の中から掛金が生まれ組織が成立している」ことです。これを忘れるということは、自分たちが立脚している海を忘れることと同じだと思っており、だからこそ、職員に対して、共済掛金はJFから湯水のように湧くものではなく、働いている漁業者一人一人がいて、漁業者の収入から支払われていることを絶対に忘れてはいけないと話をしています。
このように、それぞれの仕事の重みや一歩一歩の歩みがとても重要であり、そのうえですべての活動が成り立っていることやその過程において無駄なことは一つもないと感じてもらえるような活動を今後も展開していきます。
5.国際協同組合年や持続可能な開発目標(SDGs)への貢献に関する取り組み
(清)2030年を期限としているSDGsや今年のIYC2025を意識して取り組んでいることはありますか。
(髙田)SDGsと協同組合は非常に親和性のあるものだと考えています。2023年の国連総会の決議「社会開発における協同組合」の中で2025年を「国際協同組合年(International Year of Cooperatives:IYC2025)」と宣言しており、非常に大きなイベントだと感じています。一方で協同組合運動はこの宣言を問わず過去から現在まで実践されており、そして未来に向けて実践していかなければなりません。なぜなら、我々の共済事業は相互扶助という協同組合運動そのものであり、共済の保障が漁業者を守りJFの指導事業などを通じて漁業の持続性を守っていくと同時に日本の食料を守ることにつながるからです。
(清)共済事業を通じて漁師の方々を守り、そのことが地球全体の命や食を守ることにつながっていますが、他にもSDGsに貢献するような活動はありますか。
(髙田)漁業者は「森は海の恋人」と言っています。森の落葉が土となり、この土壌が栄養豊富な川を作り、海を豊かにします。「100年かけて、100年前の森を」というイメージで漁業者・女性部による植樹活動、「浜の母さん料理教室」といった魚食活動、JFグループや自治体と一緒に海浜清掃活動・海を汚さない石鹸を使う運動などを支援しています。
また、日本の沿岸では藻類の森である藻場がなくなってきています。北海道の積丹半島には積丹ブルーと呼ばれる海がありますが、これは魚の棲み処となる藻場がないことを意味しており、漁師にとっては良いことではありません。藻場は魚の棲み処であると同時に藻場に棲む魚は人にとっては食糧です。JF青年部は国が支援する藻場育成事業に協力し、日本全体に藻場を作り、海を取り戻す活動をしています。海藻などが大気中の二酸化炭素を吸収し、海中に蓄積する炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれており、こうした活動が「ブルーカーボン」となり地球環境保護につながります。
こうした活動は今後ますます重要性が高まると思いますし、JFという存在なしにはできない活動だと思っています。
漁は午前3時、4時に上がるため、多くのJFの職員は早朝から市場でも働いており、大変な仕事であるが故に離職する職員もいます。非常に優秀なJFが昨年やっと週休2日制になりましたが、大多数のJFは週休2日制の導入は難しい状況です。何らかの対策を打って職員の離職に歯止めをかけたいと思っています。
海に関するSDGsはJFが中心となって取り組んでいますが、漁業の多面的な機能・役割は広範囲にわたっており、「ブルーカーボン」の活動だけでなく岸壁から人が落ちた際や外国船が座礁した際の救助、災害時の避難場所の提供なども挙げられます。こうしたことにも光を当てて、JFを理解してもらえたらと思います。
(清)漁師やご家族の命を災害から守る活動や漁村の活性化にも注力されているようですが、その活動について教えてください。
(髙田)ある参事の部長時代の発言「共済で家族を守るとは言うけれど、共済では命を守ることはできないだろう。危険に遭遇した時にいかに命を守れば良いかということを語り継いでいこう」を発端として、共済による保障と一対となるべき活動として過去に起こった様々な大規模災害等から漁師やその家族自らの「命を守った」体験や教訓を伝える情報誌「命の声」を2021年度に発行しました。
創刊号では、浜で暮らす漁師にとって最も大きな災害であった「東日本大震災」を取り上げました。多くの組合員がこの震災で大変な経験をしているので、体験や教訓を語るうえで避けて通れないものです。第2号では漁船海難事故を取り上げ、事故防止のために船に乗る際の心構えやライフジャケット着用の必要性などに関する体験や教訓が書かれています。最新版は第3号ですが、「命の声」をしっかりと届けられるように動画を併せて作成しました。今後も継続していきたいと考えています。ホームページでも公開していますので、是非、ご覧いただきたいと思います。
『命の声』第3号-ダイジェスト動画
(髙田)昨今漁村では、全国平均を上回る速さで人口減少や高齢化が進行しており、漁村のにぎわいを創出していくことが重要な課題となっています。こうした中で豊かな自然や漁村ならではの地域資源の価値や魅力を活かした釣りなどのレジャーや観光を含めた海に関する産業を「海業」と称して、漁村の活性化を図ろうという取り組みが始まりました。こうした活動が成功すれば、漁村エリアの雇用機会の増加と地域の所得向上につながるものと考えています。
今後、漁港にさまざまな人が入ってくる可能性が高まるため「海業」で発生するリスクに対する保障をパッケージ化した「海業パッケージ保険」が新たな保険として必要になってくるのではないかと考え、開発しました。
このように我々、JFの日々の活動がSDGsの「02.飢餓をゼロに」「03.すべての人に健康と福祉を」「11.住み続けられるまちづくりを」「13.気候変動に具体的な対策を」「14. 海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」などにつながり、ゴールの達成に貢献しています。
これらの活動は今後も継続していく必要があり、職員共通の認識としなければならないので研修でも必ずこの取り組みについて触れています。
6.未来に向けた想いやメッセージ
(清)最後に、未来に向けた想いやメッセージをお聞かせください。
(髙田)協同組合運動を通じて共済事業を実施するという理念や協同組合運動の精神は変えてはならないものです。一方、頭は柔軟でフットワークの軽い組織体でありたいと思っています。
一般の会社と協同組合との差がなくなってきているように思われていますが、二宮尊徳の考えとして「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」があるように、倒産の原因には道徳や理念の欠如が挙げられます。とはいえ経済的な基盤や営みがなければ生き残れないことも事実です。道徳と経済のバランスをどう取るかが協同組合運動のテーマであると思いますし、バランスを取ることができる組織にしたいと思っています。
また、日本共済協会には共済団体の鎹(かすがい)になることを期待しています。さらに、現在の共済協会の本来的な役割ではありませんが、将来的に組織間協同といったことも考えていただけたらと個人的には思っています。共済団体間が補完し合ってより強い団体となり、組合員のために活動することが私の未来への想いです。
最後に、私の大好きな言葉に二宮尊徳の「積小為大(せきしょういだい)」があります。小さなことをコツコツと積み重ねることで大きな成果や発展につながるという考え方です。この姿勢を周囲の人々と共有して協同組合の発展につなげられればと思っております。
【プロフィール】
JF共水連 代表理事専務 髙田 明生氏
1987年(昭和62年)、JF共水連(北海道事務所)に入会。1992年(平成4年)以降、北海道根室支所他各地の支所長および北海道事務所で推進部門、事務部門、管理部門の部門長等を経て、2013年(平成25年)に本所で参事、常務に就任。令和2年より現職。
座右の銘等
ドイツの聖職者であるマルティン・ルターの言葉で、開高健が好んでエッセーなどに書いた、「もし明日、世界が滅びるとも、今日、私はリンゴの木を植える」が座右の銘。これを開高健の言葉だと思い、前を向いて生きろ、虹を見て生きろという気持ちでいつもいたいと思っています。
【事業概況】
資料:当協会発行「日本の共済事業-ファクトブック2025-」から作成。事業規模はJF共水連から提供。




