協同組合と共済事業の発展をめざし、調査・研究、教育・研修、広報・出版活動のほか、共済相談所として苦情・紛争解決支援業務を行っています。
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協会のご案内会長あいさつ

中世古会長(H29.12.27撮影)-2.jpg
一般社団法人 日本共済協会
会長 中世古 廣司

 昨年は、地震・豪雨・台風など自然災害が猛威を振るった年となりました。被災された方々に心よりお見舞い申しあげます。

 さて、江戸時代の俳人・向井去来は、松尾芭蕉の俳諧論を『去来抄』としてまとめています。その中で、去来は「千載不易の句」と「一時流行の句」について触れています。いわく、「千載不易の句」とは「古に宜しく後にも叶ふ句」、「一時流行の句」とは「一時一時の変にして、昨日の風は今日宜しからず、今日の風は翌日に用い難きゆゑ、一時流行とははやる事を云う」とあり、質の違いを指摘しながらも、「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と指摘しています。いわく、「時代を経ても変化しない本質または普遍的な真理(不易)を知らなければ基礎が確立せず、基本を知っていても、常に時代の変化を知り、その革新性(流行)を取り入れていかなければ新たな進歩がない」と説いているわけです。

 昨秋に、健康診断関連データに解析技術を適用して将来の疾病リスクを予測するAIが開発され、生活習慣の改善指導や疾病予防への活用が期待されるという報道がされました。生命保障や損害補償の事業を通じて、このような公共の負担の縮減に直結する仕組みを取り入れることは、事業の可能性拡大とともに、社会に貢献する新たな視点を加えるものとして着目する必要があると思います。
まさに、時代の変化を先進的にとらえ実現していく取り組みこそ「流行」であり、その重要性は保険も共済も何ら変わるものではありません。

 また、協同組合共済にとっての「不易」をおろそかにすることは断じて許されません。
昨年11月に開催した『日本共済協会セミナー』では、「理解されない協同組合」というショッキングな切り口から始まり、初期協同組合運動の苦難、躍進につながった協同組合の方向転換とそこに内在する課題などに至るまで学びを深め、さらには、協同組合の役職員に向けて「21世紀型コミュニティの協同組合」という提言がされ、あらためて協同組合共済にとっての「不易」を考える取り組みを行なってまいりました。

 一方、金融庁は、「国民の厚生の増大、企業・経済の持続的成長」に取り組む金融機関の育成を重点とする監督に移行していく方針を示し、その見直しに先んじて、健全性・将来性の重視とお客様中心の業務運営に向けた取り組みを推進しています。
これらの目的には、協同組合的な価値観があるように思えてなりません。そして、それがSDGs(17の持続可能な開発目標)として全世界的な価値観に昇華しているのではないかと思います。

 協同組合共済の礎には、私たちの先輩と多くの組合員の方々の手により築き上げられた助け合いの仕組みと活動実践があります。それは、仲間どうしが支え合い助け合い、その成果を拡大していく温かみのある活動です。その本質を、決して忘れてはなりません。
SDGsが全世界共通の価値観として位置づけられ、浸透が進んでいる現在、今を生きる私たちは、生活の安定や福祉の向上を求める組合員のための共済として使命を果たすべく時代や環境の変化に柔軟に対応していくこと、つまり「不易流行」の実践こそが必須であるといえるでしょう。
 私たちは、蓄積してきた知恵と力を振り絞り、共済が組合員や社会のお役に立ち続けられるように協同組合の真価を発揮していく所存です。