Web 共済と保険2026年4月号
コープ共済連のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組み~ここで働く一人ひとりも、大切な組合員~
日本コープ共済生活協同組合連合会(以下、コープ共済連)は、「人々がつながり助け合う」生協の原点を職場環境に活かすことで、職員が元気に働きながら能力を発揮でき、より多くの人々に貢献できる事業を目指しています。本稿では、コープ共済連におけるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の取り組みを紹介します。
1.共済事業とDE&I ― 組織基盤としての位置づけ
コープ共済連は、 理念である「CO・OP共済のめざすもの」を事業の原点に、共済事業を通じて人々のくらしを支えてきました。
当会では、DE&Iを理念的な取り組みの枠にとどめず、持続的に事業を運営するための組織基盤と位置づけています。というのも、多様な職員が安心して力を発揮できる環境を整えることが、結果として組合員対応の質や業務の安定性につながると考えているからです。
| 「CO・OP共済のめざすもの」(抜粋) 私たちはCO・OP共済によって、組合員相互の助け合いにより、組合員のくらしの中の各種の危険による 経済的な損失を保障することを中心にして、組合員のくらしの向上に役立ち、生協の発展、協同組合運動 の普及と豊かな社会づくりへの貢献をめざします。 |
2.女性の活躍と管理職登用
コープ共済連では、女性活躍推進法に基づき、管理職に占める女性の割合を重要な指標として位置づけ、状況把握と情報開示を行っています。キャリア形成支援や仕事と育児の両立支援を通じて、女性職員が継続的に管理職として活躍できる環境整備に取り組んでいます。2030年までに女性管理職比率を30%とする目標を立てており、2026年度は20%を超える見通しです。
日本生協連の女性幹部交流会に参加したり、幹部候補の女性職員と女性の先輩とのランチ会を実施するなど、刺激を受けたり不安を解消したりする場を設けています。
(図表1)コープ共済連の女性管理職割合(単位:人・%)
| 年度 | 男性 | 女性 | 女性比率 |
| 2025 | 95 | 20 | 17.4% |
| 2026 | 93 | 24 | 20.5% |
| 2027 | 91 | 28 | 23.5% |
| 2028 | 89 | 32 | 26.4% |
| 2029 | 87 | 36 | 29.3% |
| 2030 | 87 | 38 | 30.4% |
*表の2027年度以降は目標値

全国生協女性幹部ブラッシュアップ交流会での元ポーラ社長 及川 美紀様の講演会の様子
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「前向きな想いを持つことができ、何事も経験と思って飛び込んでみる気持ちも大事なのかなと感じました。」 「日頃はなかなか聞けないちょっとした疑問や悩み・不安を共有することができ、心強かったです。」 「大変な場面も多くあると思いますが、心身の筋トレととらえ、課題にチャレンジしていきたいと思います。」 |
3.男性の育児休業取得率にみる職場文化
育児と仕事の両立は、女性だけでなく男性にとっても重要なテーマです。男性においても女性と同様に制度整備と職場風土づくりを進めた結果、2024年度は育児休業の対象となった男性職員の取得率が100%となりました。これは、育児を個人の問題ではなく、組織全体で支えるものと捉える文化が定着しつつあることの一つの成果と考えています。
(図表2)コープ共済連の男性職員の育児休業取得率の推移
| 2020年度 | 53.8% |
| 2021年度 | 100.0% |
| 2022年度 | 82.0% |
| 2023年度 | 60.0% |
| 2024年度 | 100.0% |
男性の場合はパートナーの妊娠を職場に報告することからスタートします。以前は配偶者の出産直前に連絡が来ることも多くありましたが、最近では男性の育休取得が当たり前になり、職員内で情報共有もされているようで、報告の時期も早くなってきています。男女問わず職場の業務調整などによるサポートは必須ですから、普段から相談しやすい環境づくりが大切だと考えています。
育児休業を取得した男性職員からは以下のような声があり、今後も継続して職場の風土づくりを実践していきます。
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「子どもが生まれる前から、周囲の男性職員が育休を取っているのを見て、取得は自然な選択だと思っていた。」 「最初は不安だったが、実際に取得してみて、子どもの成長を間近で感じられたことが一番大きい。」 「2か月程度取得したが、世間的にはまだ短い方。職場の理解があることが大きかった。」 「分割取得ができることを先輩から教えてもらい、2回目の取得につながった。」 「育休を通じて、育児は『手伝う』ものではなく『一緒に担う』ものだと実感した。」 |
【主な子育て支援制度】
【主な仕事と育児の両立を支援する取り組み】
ここ10年で公的制度も各企業の取り組みも充実し、夫婦で育休を取得することが当たり前となり、採用にも大きな影響があると感じています。子育ての方法も常に変化していくので、子育て中の職員の声をしっかり把握し「使える制度」に進化させることが大切です。
【認定取得】
認定取得には数値目標を漏れなく確実に達成することが必須ですが、一度未達成となってしまったことがありました。対象者数の変化や制度変更(年休増など)も見通して取り組んでいます。
4.DE&Iが業務品質にもたらす効果
多様な背景を持つ職員が長期的に働き続けることで、組合員対応や商品開発などにおける課題に気づきやすくなります。育児や介護などの当事者経験を持つ職員の視点は、商品開発の細かい部分の見直し、手続きの分かりやすさ、対応の丁寧さといった業務品質の向上にも寄与しています。
5.おわりに
保険・共済業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、DE&Iは社会的要請であると同時に、事業の持続性を支える重要な経営要素です。女性活躍、子育て支援に限らず、障害を持った方やLGBTQ+の課題など、取り組んでいくことが求められています。
コープ共済連は今後も、組織内の実践を通じて得られた知見を事業に反映させながら組合員のくらしに向き合いより良い保障を提供していきたいと考えています。

