協同組合と共済事業の発展をめざし、調査・研究、教育・研修、広報・出版活動のほか、共済相談所として苦情・紛争解決支援業務を行っています。
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お知らせ年頭所感

2020.01.01

 2020年を迎えるにあたり、謹んで新春のお慶びを申しあげます。
 はじめに、会員団体および関係者の皆様におかれましては日頃より当協会にご支援、ご協力を賜り、心より感謝いたします。
また、協会が発行する『共済と保険』は、1959年6月にその前身である月刊誌『共済保険研究』として創刊以来、60周年を迎えることができました。これまでの長い間、発行を継続できましたのも、ひとえに多くの読者、ご寄稿いただいた執筆者そして会員団体のご理解とご協力の賜物であり、この場を借りて改めて御礼申しあげます。
 昨年の7・8月合併号に掲載した「創刊60周年特集企画」のなかで、本誌とその前身である「共済保険研究」に掲載された記事が文献として非常に貴重な財産であり、これらの記事をもっと多くの方々の目に触れ、知っていただける取り組みのご提案をいただきました。当協会では、60年分の目次をホームページに掲載するとともに、11月から目次の検索機能を追加しましたので、共済・協同組合の研究や共済事業に携わる役職員の学習の一助に活用していただきたいと思います。

 近年、私たちの生活を脅かす台風や集中豪雨、地震などの大規模自然災害が多発しておりますが、昨年は台風第15号、第19号などにより、全国各地で甚大な被害が発生しました。これらの災害により被害を受けられた皆様に改めてお見舞い申しあげます。

 自然災害のリスクが高まる一方で、消費税の引き上げ、社会保障費負担の増加、実質賃金の低迷などにより、多くの人が将来の生活に対する不安を抱えています。これからの高齢社会では、「健康寿命」をできるだけ延ばしながら、生きがいをもって社会とかかわり続けていくことが大切ですが、趣味を生きがいにする、仕事を継続する、ボランティアや地域活動に参加するなど、年齢を重ねてからの生き方・ライフスタイルは人によって異なります。
 人に基盤を置く組織である協同組合は、地域で暮らす多くの組合員の暮らしに深くかかわっています。日頃からのつながりのなかで、協同組合共済は、組合員・地域住民の健康の維持・増進に寄与する様々な取り組み・活動を実践しつつ、組合員各個人が今後どのようなライフプランを想定すればよいのか、そのライフプランに向けてどのような備えが必要なのかを考えるにあたって、様々なお手伝いができるのではないかと思います。

 事業環境を取り巻く情勢は、国際資本規制の強化、自動車の自動運転技術の進展、ビッグデータ・人工知能(AI)の活用など激しく変化しつつあります。特に、デジタル技術の活用の分野では、共済仕組み・保険商品の開発、普及・販売の手法、契約の引受方法、事故受付・調査の手法、共済金・保険金の支払方法など共済・保険のあらゆる場面で加速度的な変化が見込まれます。また、テクノロジーを強みとする大手情報企業による保険を含めた金融サービスへの参入や既存金融機関との協業・提携の動きが今後ますます活発化することが予想されます。
 こうした変化の時代において、協同組合共済は、これらの変化に柔軟に対応するとともに、変わることのない共済の理念を改めて確認したうえで、事業に関わる役職員一人ひとりがその理念を共有し、これを具現化することを通じて、組合員・契約者の皆さまに変わらない「安心」をお届けしなければなりません。

 当協会は、各会員団体ならびに関係各位と連携・協力し、協同組合共済のさらなる発展に向けて努力してまいります。皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申しあげます。
 結びに、本年が皆様にとって、明るく希望に満ちたすばらしい一年となりますよう心からお祈り申しあげます。

一般社団法人 日本共済協会 会長 市村 幸太郎