協同組合と共済事業の発展をめざし、調査・研究、教育・研修、広報・出版活動のほか、共済相談所として苦情・紛争解決支援業務を行っています。
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お知らせ平成24年度 日本共済協会セミナーを開催しました

2012.10.31

 10月29日(月)、JA共済ビル カンファレンスホールにおいて、「平成24年度日本共済協会セミナー」が開催されました。今年度のセミナーは、日本共済協会結成20周年記念講演会として、2012国際協同組合年全国実行委員会の後援を得て実施されました。当日は、日本共済協会の主催する「共済理論研究会」の委員による講演・研究報告・パネルディスカッションが行われ、250名の参加者が熱心に耳を傾けました。
 まず、関名誉教授(青山学院大)が「今日のテーマである"協同組合の潜在能力と発展の可能性"は、協同組合は商人か、共済と保険は同じか、協同組合と株式会社はどう違うか、という3つの視点から考えることができる」という立場で講演を行い、「協同組合の特長と株式会社の新たな利点の双方を熟知し、その良さを使いこなすことを通じて、さまざまな発展の可能性がある」と結論付けるとともに、「そのためには協同組合原則に明記された"教育"が何よりも重要である」と指摘しました。
 "共済と保険の同質性・異質性"についての研究報告のなかでは、まず江澤教授(早大)が「共済団体と組合員の関係性の観点からは、組合員を運営の主体ととらえる"メンバーシップ型アプローチ"を追求することが求められる」という趣旨の報告を行いました。岡田准教授(日大)は「戦略的経営の観点からは、生活の基盤である地域・職域を良くするためにさまざまな形で相互扶助を実践することによって、共済の存在意義を明確にすべきである」という趣旨の報告を行いました。宮地准教授(拓殖大)は「危険選択の観点からは、保険難民と呼ばれる人々に保障を提供することで、共済らしさを強調していくことが必要である」という趣旨の報告を行いました。いずれの報告者からも、さらに研究を深めていきたいとのコメントがありました。
 パネルディスカッションでは、協同組合における配当制度・員外利用制度、保険株式会社における株主の位置付け、保険相互会社における基金制度、エネルギー協同組合の可能性等の論点について、参加者からの質疑も含めて活発なやりとりが行われました。
 市場原理主義に対する批判の高まり、保険法・会社法に代表される法制度の動向、東日本大震災による相互扶助意識の再認識、国際協同組合年の取組み等の環境変化のなか、今日的な視点から協同組合の本質・優位性と将来性に関する議論が深められたことは、今後の共済理論研究の展開に向けた節目となるものであり、有意義なセミナーとなりました。